そして峯田和伸
はじめに聞いたパンクロックは銀杏BOYZの「エンジェルベイビー」だった。
もうその頃は峯田一人だったけど、とにかく関係なしにすごかった。銀杏BOYZも名前しか知らなかった。「エンジェルベイビー」のコメント欄には「峯田変わった」って声もあった。でも関係なしにすごかった。7分ちょっと、呼吸を忘れてたような感覚だったのと、冗談抜きで気付いたら泣いてた。
PVは丁度同世代くらいの男女とその家庭だった。
回りくどい表現とか、「察せよ」みたいな雰囲気がなかった。要するにまっすぐだった。
何かやらかしてみたい青年の衝動そのものだった。
よく言われるように社会やルール、理不尽な大人への反発心を持ち合わせていない「つまらない」子供だった自分には響いた。逆に!
そして徹夜する勢いで「SKOOL KILL」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」とかを何回も聴いた。その時自分はすごく感傷的だったから、それをうわぬりしてくれるあのまっすぐさや土っぽさが必要だったことに気付いた。
彼はほんとうはロックスターなんかじゃないような気がする。
これは一つのリスペクトで、彼のいいところは私たちと全く変わらない人間らしさが見えるところだ。
峯田の世界の男の子はいつも、失敗ばかりしているし、意中の子にはなかなか振り向いてもらえない。いっつもベッドかソファでひとりぼっちだし、挙句、「君のパパを殺したい」と想いふけったり、どっかのオシャレ野郎と待ち合わせしてた君を見て、帰りにCDを万引きしたりしちゃうんだ。
中でも大好きな詩
いまは苦しくても
いまは悲しくても
君がいるから そばにいるから
僕にはなんでもできる
you&i vs. the world 抜粋
簡単な言葉だけど、簡単じゃない、大きな、繊細な気持ちの詰まった言葉だと思う。
歳を取っても銀杏BOYZは多分ずっとそばにいてくれる。これからも救ってくれるんだろうな。